葉酸とは何ですか?妊娠時に必須な理由を解説します!


葉酸はビタミンB群に属する水溶性ビタミンの一種です。
細胞増殖の過程で起こるDNA合成に関与しており、
細胞の増殖が活発な胎児の発育に欠かせない栄養素の一つです。
したがって、体内の葉酸の需要は妊娠初期に特に高くなります。

葉酸は、アミノ酸代謝やタンパク質合成だけでなく、
造血細胞における DNA 合成や赤血球の形成にも関与するなど、
他のさまざまな役割も果たします。

葉酸はもともとほうれん草抽出物から発見されましたが、
植物性食品だけでなく幅広い動物性食品にも含まれています。
葉酸が豊富な食品には、ほうれん草、柑橘類、豆などの葉物野菜が含まれます。

葉酸摂取で期待できる効果

妊娠の前後に十分な量の葉酸を摂取すると、
胎児の脳形成異常のリスクを軽減できることが知られています。

葉酸は、アミノ酸の一種であるホモシステインが
必須アミノ酸の一種であるメチオニンに変換される反応に使用されます。

さらに、血中ホモシステイン濃度の上昇や葉酸濃度の低下は
脳機能の低下と関連していることが示唆されており、
葉酸摂取は脳機能の低下を防ぐ効果が期待されています。

葉酸摂取時の注意点

葉酸には 2 つの主な構造があります。

一つは葉酸で、複数のグルタミン酸が結合したポリグルタミン酸の一種です。
これは主に食品に含まれる葉酸の構造で、食事性葉酸とも呼ばれます。

もう一つはグルタミン酸が1個だけ結合したタイプで、モノグルタミン酸型と呼ばれます。
モノグルタミン酸型葉酸は、サプリメントや葉酸強化食品に使用される葉酸の構造です。

食品に含まれるポリグルタミン酸型葉酸は、
体内で酵素によりモノグルタミン酸型の構造に変換され、小腸から吸収されます。

しかし、食品に含まれる葉酸は調理により減少するというデータがあり、
食事性葉酸の生体利用効率はモノグルタミン酸型の50%と考えられています。
一方、栄養補助食品中の葉酸はモノグルタミン酸構造をしており、
安定性に優れ生体利用効率が高いため、効率よく葉酸を摂取できると言えます。

厚生労働省は、2000年に妊娠を希望する女性に対し、
食事からの葉酸摂取に加え、
モノグルタミン酸型葉酸400μgを摂取することが望ましいと通知しました。
サプリメントなどで含まれています。

これまでのところ、葉酸の過剰摂取による健康被害の報告はありません。
しかし、1日あたり1,000μgを超える葉酸を摂取すると、
ビタミンB12欠乏に伴う「巨赤芽球性貧血」と呼ばれる病気の診断が
困難になることが知られています。

厚生労働省が定めた「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、
サプリメントやサプリメントなどからのモノグルタミン酸型葉酸など、
食事に加えて追加で摂取できる葉酸の上限が定められています。
葉酸強化食品は成人男性・女性向けに設定されています。
1日の摂取量は900μg~1000μg(年齢により異なります)です。

これは妊娠を希望する女性や妊婦にも当てはまり、
栄養補助食品からの葉酸の摂取量は1000μgを超えてはいけません。






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